うそ、ほんと、日常。

なんかいろいろ失敗だらけの私の日常。

日常。しあわせ、ふしあわせ。

結局ゴネたり喧嘩したり、泣いたり伏せったり、あの手この手をしたけれども私は結婚した。

 

なんて言うか、私は何を嫌だと思うか、を、説明する事ができなかった。

 

結婚したくなかったら、子供を作るべきではない。

きっとそんな風に批判される思考回路なんだろうなと思う。

 

けれども、私は色々な人に助けてもらいながらも、11年間ひとり親をやってきた。

 

旦那がいてほしいと思った時も、お父さんが欲しいと思った時も、ずっと一人で耐えたり気にしないフリして生きてきた。

 

息子は心の支えだった。いつも、一人でも、一人じゃないって息子が私を支えて、私が息子を支えてきた。

 

寂しくて二人でぴゃーぴゃー泣いた時もあったし、キャッチボールが下手な私に息子が逆に付き合ってくれて、教えてくれたり、私たちは私たちなりの親子の形を作って生きてきた。

 

二人でたくさん喧嘩もして、怒って、笑って、泣いて、それでも親子でよかったねーって言い合えた。

 

仕事ばっかりで家にあんまりいれなくても。仕事頑張りたいのに、ここぞと言う時に学校行事で有給取らなきゃいけない時も。

 

よかった、って後で思えるように、私なりに息子なりに、全力投球で生きてきた。

 

そこに、彼はいななかった。いて欲しい時もいなかった。

 

私は、彼が好きだったし、息子も彼が好きだった。

 

彼に結婚しようと言われた時に思ったのは、私には無理なんじゃないかと思った。

 

でも、母子家庭なんだから負い目があって、子連れ再婚のくせに贅沢言うなと、結婚してくれるだけありがたく思え、と自分でも思っていた。

 

でも、なかなか踏み切れなくて、歳だけ取って行って、子供産めなくなっていく焦りもあって、性欲も無駄にあって、じゃあどうしようって、結婚にリミットはないけど、出産にはリミットがあるから、産めばいいと思った。

 

私は一人で育てられる。

 

その気持ちは、みんなで一つの家族になりたい、と言う願いの裏返しだった。

 

どうせ、私は結婚できないから。一般的な幸せは縁遠いから。色々な感情が欠落しているから。せめて好きだと思う人の子供を育てる事は、許してもらえないだろうかと願っていた。

 

母子家庭のくせに腹ぼてなんて、みっともない。所詮、自分の欲望で生きてる。

 

結婚していいかどうか。うまくいくのかどうか。私は旦那が必要なのか。とか。不安とか焦りとかが色々相まって、たくさん泣いた。

 

で、結局結婚した。

 

彼は素直で、息子は優しくて、私を二人で懐柔して、大丈夫、大丈夫とあやしてくれた。

 

私はずっと、不安の中で生きている小さな子供のままで、生きる価値もないんじゃないかと時々打ちのめされて、いまだに時々息もできなくなって、唇を噛み締めて生きていく事に、慣れすぎていた。

 

そんなに、苦しい中で生きなくていい、って教えてくれたのは、息子と彼だった。

 

分かっていはいても、ここから出られる気がしない。結婚したって、私はずっと酸欠みたいな世界から出られるなんて思えない。

 

それでも、いつかここから出られると信じてた時もあったんだ。それから、永遠にここから出られないと諦めた。

 

もう、諦めてしまったから、私は出られない。そんな風に自分を檻の中に入れた。わたしがいる世界に、幸せはないんじゃないかと。

 

息子がいる世界の幸せを、わたしはここから祈ろうと、そんな感じで生きてきた。届くんだけど、交わることの無い明るい場所に息子はいた。そこに彼もいた。わたしだけが、出られない檻の中にいた。

 

気づけば檻の鍵は内側にあった。わたしが自分で鍵をかけて、外からは開けられないようにしていた。

 

わたしは結婚した。秋には子供が産まれる。

 

たくさんの人に、おめでとう、をもらった。私は幸せになってもいいのかとまだ、わからない。

 

あなたには無理よ、と母に言われた。結婚生活なんてあなたには無理。うちで暮らしなさい。どうせできないんだし、二度も失敗したらみっともないから、別居したままここにいなさい。それ以外は絶対、無理だからだめ。

 

ここを出ていくなんて、絶対だめ。無理。できっこない。あなたが幸せになるなんてありえない。子供は私は育てるから大丈夫。お金を稼いできてちょうだい。

 

思った通りの事を言われて、少し悲しかったけど、やっぱりそうか、私には無理なんだ、と諦めようとしたら、息子が、無理じゃないよ。大丈夫だよ。ママと俺はお父さんと赤ちゃんと、家族になりたいよ、と言ってくれた。

 

息子を産んで、もう一人身籠って、それでも、まだ、生きてていいか自信がない。そんな奴が親になるなと非難されるだろうな。でも命を繋ぎたかった。私が見れない明るい景色を、息子には見て欲しかった。

 

たっぷりの酸素の中で、光をちゃんと浴びて、空も見て。時々雨は降っても大地は潤って、そこから芽が出るような、そんな人生になったらいい。

 

私はここから出られないから。

 

 

幸せと不幸せの二つに分けるなら、私は幸せになりたいけれど、それは絶対私には無理だから、幸せになる事を必死で諦めている。絶対無理って決めたのは、母だ。私はそれに従わないと死んでしまうと思い込んでいる。

 

だから私は不幸でいないといけない。少なくとも母より幸せにはなってはいけない。絶対に。だから檻から出てはいけない。誰かに愛されようと愛そうと、そんな尊い世界に足を踏み入れてはいけない。

 

こんな抽象的で、大半の人が分からないような自分語りを、こんな所に吐露して、私は一体どうしたいんだろう。

 

きっと、誰かに理解されるのは難しい。私のしている事は非難されて然るべき。けれども私を非難する人は、明るい世界の人たち。明るいところから暗い世界を見下ろした時に、なんて下衆な女だと、鼻をつままれる。

 

ただ、私もそっちで生きたかった。多分それだけのこと。