許す。
許さない過去があって、それが自分を苦しめてるなぁと感じるけど、許す事ができない。
ポジティブな思考になれとか、思い出に蓋をせよとか、感情に任せて泣くも良し、自分自身に手紙を書けとか、どれもイマイチ。
許すと忘れるは、似ているけど少し違う。
私はある時のすごく辛かった日々の事がすっぽり思い出せない。無かった日々みたいに、その頃の事が思い出せない。確実に過ごしたのに。
それは多分、思い出さない事で自分を無意識に守っているんだと思う。思い出したらまた、心が壊滅すると分かっているから。
許せない出来事は、その分類ではないらしい。どうしてもしまい込まない、しまい込むことでは解決できない傷のようで。
それを思い出すと、反動のように、自己嫌悪とか自責の念が湧いてきて、結局私が全ての諸悪の根源なんだと絶望的な気分になる。
許したいし、忘れたいのに。
そもそもポジティブな考え方が苦手で、私なんか死ねばいいと思って生きてるくせに、許せないなんて矛盾している。
私ごときが、何かを許す、許さないだなんて、傲慢にも程があるでしょう?だから、捨て去ればいいのにね。
この思考回路、なくなればいいのに。
少し話す息子の友達のお母さんが、最近離婚してシングルマザーになったんだけど、人生これからだよね?って不安そうに同意を求められた。
私もう10年シングルマザーやってるベテランだから、これからなのかどうか、全然分からない。もう終了後の人生をのらりくらり生きている気もしている。
これからだよ、大丈夫!って言った。誰かにそう言って欲しいんだろうな、と思う。決して不憫なんかじゃない。不幸でもない。大丈夫だよ。
辛い事のない人生なんかないだろうけど、もう多くは望まないからひっそり生きなくては。
仕事も最近は割り切って、機械のようにこなしている。Illustratorのプラグインにエラーが出続けても、もういいや、と思う。ほっといたら、2週間くらいでアップデートして治った。人生そんなもんだ。
許したいな。忘れたいな。そんな事、起きなかった事にならないかな。
自分の心をえぐり続けて、これから何年生きるんだろう。
気がついたら、掌に3つ、爪の後が残っていた。また握り締めていたらしい。掌の皮は分厚いから、破けて血が出る事はない。
無意味。一体何に耐えているんだろう。