子どもの子供。
私の息子は小学校3年生でもうすぐ9歳になる。ほぼ生まれた時から母子家庭で、父親を知らずに育ったせいか、甘えん坊で泣き虫で、すごく優しい。
一人遊びが得意で、2、3時間レゴの世界や、妖怪の世界や、トミカの世界に行くと帰ってこない。
私も一人遊びが得意だった。焼肉のタレの甘口と辛口をデートさせたりしていた。ぬいぐるみとも喋れたし、自分の所有物は全部心があると思っていた。
息子もそんな私にそっくりで、思い出がありすぎてすてられないんだ。と言う。だから私も息子の物が捨てられない。
私のものは母が捨ててきた。
もういらないわね。遊んでるの見た事ないわ。
よくそう言って捨てられたけど、遊ぶかどうかじゃない。思い出がそれに詰まっていたんだ。それを今私は息子と話していて思い出した。
私の中で母はいつも正解だった。私は捨てられるのが嫌で物を所有しなくなった。
母は息子に物を与え続けては、片付けないなら捨てるわよ、と喚いている。あなたの息子が片付けないから捨ててちょうだい、と言われる。
ならば買わなければいいのに。買い与えるのは大好きなのに。
私は平日仕事で帰りが遅い。でも当たり前だけど家事もやる。土日は一生懸命やる。一生懸命やらないと、土日ダラダラしてる!と喚かれるからだ。
母は片付け、掃除、料理が苦手なので、なるべく私がやる。特に電化製品のお手入れは母は絶対しないので、掃除機のゴミがいっぱいでも捨てないような人なので、フィルタを洗ったり、洗濯機の洗濯槽のそうじとか、そう言う手の掛かるのは土日にやるんだけど。
昨日息子に、ママはいつ休むの?って聞かれて、ママは休まないよ。人一倍頑張らないと認めてもらえないの。
無意識でそう答えていて、自分に驚いた。
おばあちゃんに?僕はママは頑張ってると思うよ。僕のために家族みんなのために、一生懸命働いてくれててありがとうって思ってるよ。だから頑張りすぎないで。
そんな事を言われた。
すごく嬉しかったけど、頭の中で母が喚いた。
甘えてはいけない。自分を許してはいけない。誰のおかげで今生きてるのか。落ちこぼれは人一倍努力しても優等生には勝てない。100点以外は0点と同じ。
私は何点なんだろうと思った。100点じゃないからきっと0点だ。だけど100点まで近いのか遠いのかも分からない。
息子は100点だ。
子どもに戻れたら、ママも自分の世界でもう一回遊びたい。
歳は関係ないよ。誰のことも気にしないで、自分が楽しいって思ってれば、自分の世界にいけるよ。
なんて哲学。
私はもう母の目を気にせずには生きられない。認めてもらいたい以前に、もう2度と罵られたくない。それだけを糧に必死で生きている。
100点って言ってほしくて。褒めてほしくて。私を見て笑ってほしくて。いらなくなかったって言ってほしくて。
それはもう叶わないから、せめて、罵られないように。
息子に心配を掛けないように。
どんなに納戸を片付けても、ぐちゃぐちゃにする母。私の片付け方が悪いからすぐにぐちゃぐちゃになる。物を置く場所を決めたら?って言うと、そう思うなら散らかる前に片付けなさいよ!って怒鳴られる。私が悪い。私は使ってないんだけど。
幸せな家族が持ちたかった。
私が生まれた家族はダメだった。別れた旦那はダメなやつだった。8年近く付き合っている彼とも家庭は持てないだろう。
普通の家族が欲しかった。
誰もが50点くらいの、必死に生きなくていい、自然な笑顔と自然な喧嘩が起きる家族。
生まれ変わったら、そんな家に生まれたい。